安穏の像
いつもブログを御覧いただいている皆さま、誠にありがとうございます。
実は昨日のブログの写真を見て、鬼子母尊神像についてのご質問がありました。
ブログを見たのに、口頭で、です 笑 (同時に貴重なネタをありがとうございます)
住職にとっては当たり前のことでも、何度もお伝えしていく責任をあらためて感じました。
いちいちにご説明するより、まずは建立の碑の文章を改めて載せることで、今一度みなさまの認知と理解を賜りたく試みます。
子安鬼子母尊神像 奉安建立の碑
法華宗大本山、光長寺の塔頭たる当西之坊本堂には、延享元甲子(一七四四)年六月開眼の、鬼子母尊神像が安置されている。その翌年、大本山貫首より棟札が送られていることから、本堂等の新築が行われたと推測される。
抑々鬼子母神とは、人間の子どもに悪さをする鬼であったが、釈尊の教えにより改心し、子育てや安産の守り神として祀られて来た。又、当法華宗の依経「妙法蓮華経」では、読経をし、正しく信仰する人々を守護することが説かれている。
鬼子母尊神像安置より二八〇年。令和を迎え当坊では、伽藍一新の大事業を発願せる。当事業は、新たな建築の中に強い願いを込めている。
施設面からも信仰の上でも「参拝者が心身ともに末永く安穏でいられるように」とのものだ。
今般、施設面での工事は完了を迎えた。新たに左外護者により、境内に鬼子母尊神像が寄進さる。本堂内の御尊像とともに未来永劫子々孫々、当坊を訪れる老若男女が霊験利益を授かり、健やかに過ごせるよう祈念す。
最後に、当像を【子安鬼子母尊神像】と名付く。長泉町の日展審査員、堤直美氏の尽力により、幾度も検討を重ねた像の尊顔は、どの銅像よりも温和で、そして慈愛に満ちている。妙法蓮華経には「生きとし生けるものは皆我が(ほとけの)子である」と示されている。現代を懸命に生きる「子」をご守護せしめ給えと願うものなり。
悩み、助けを求むれば優しく静かに。幸せや成功を祈りぬれば目を見開き活き活きと。
如何なる時も迎えて下さる、地域の人々の拝殿、心の拠り所となれば幸いである。
維時 令和四年十二月八日 新伽藍落成慶讃法要 砌 奉呈
西之坊令和本堂等建設委員会 建設委員長 井 口 賢 明
建 設 委 員 一 同
制作 彫刻家 堤直美